直撃肉声レポート…北朝鮮「工作員」関西弁でかく語りき

朝鮮総連の幹部養成を目的とする朝大は全寮制であり、われわれは狭い寮内で3年にわたり寝食を共にした。卒業後は、総連の傘下組織で同僚だった時期もある。時には、私が中央省庁のクラブ記者たちと「勉強会」と称して開いていた飲み会にYも同席し、朝鮮半島情勢について夜を徹して話し合ったこともあった。

その後、われわれはいずれも総連を去った。Yは家業の運送会社を継ぐ傍ら学究の道へ進み、国籍も朝鮮から日本へ変えている。

もっとも、そんなYの足跡を知ったのは、つい最近のことである。きっかけは2012年6月21日、大阪府警外事課によって逮捕されたYが「北朝鮮の工作員である」と報道されたことだった。公安関係者が話す。

「Y摘発は、警察の北朝鮮関連事案では久々の『大手柄』とされています。府警には長官賞が授与され、Y追跡に当たった捜査員ら約150人がホテルの宴会場に集まり、打ち上げも行われた。今後、外事捜査員の教本にも重要事例として載せられる予定です」

「オレは認めてへん」

Yは1970年、兵庫県で在日朝鮮人として生まれた。