北朝鮮の化学兵器の生みの親は、京大出身の化学者

世界で2番目とされる合成繊維「ビニロン」を開発し、京都帝国大学で工学博士学位を取得した。同学の化学研究所で助教授を務めた。

朝鮮半島が日本の植民地支配から解放された後は韓国に戻り、ソウル大学の工学部の部長をつとめた。朝鮮戦争中に、後に北朝鮮の重要政治家となる李鍾玉(リ・ジョンオク)氏に説得されて、北朝鮮に渡った。

李博士は、1961年に北朝鮮独自の化学繊維「ビナロン」を開発し、生産を主導した。寧辺原子力研究所長(1967)と自然科学院咸興分院長(1987)を務めるなど北朝鮮の科学界を代表する人物とされる。

米韓当局も北朝鮮が核やサイバーテロと共に非対称3大戦力として挙げる化学兵器を開発していると指摘する。