【対北情報戦の内幕-17-】海保を「情報機関化」へ導いた北朝鮮との銃撃戦
「そもそも、記事を書いた朝日新聞の記者は、北朝鮮問題のスクープを連発する敏腕記者です。ネタ元が割れるような記事を書くわけがない。実際、記者はその後も公安や情報機関にパイプを維持し、そこからのネタでスクープを続けています。
実は当時、外務省と海保が疑っていたのは、自殺した海上保安官ではなく、海保でヒューミントを担当する別の人物だったんです」(大手紙公安記者)
海保でヒューミント(人的情報活動)を担当しているのは、本庁警備救難部警備情報課である。
「海保は拉致を知っていた」
2008年4月に同課が新設された理由は、2001年の米同時多発テロなど国際的なテロ・リスクの高まりと、それを受けての改正SOLAS条約(2002年)にあると言われるが、そもそもの発端は北朝鮮による日本人拉致事件と工作船事件にさかのぼる。元海上保安官は語る。