【対北情報戦の内幕-17-】海保を「情報機関化」へ導いた北朝鮮との銃撃戦
朝日新聞報道の1週間後、外務省国際情報統括官組織に出向していたエリート海上保安官が自殺した。
朝日新聞が、「第5管区海上保安本部が11年10月、大阪港に入港したカンボジア船籍の貨物船から、輸出記録を記した目録を発見した」と詳しく報じたため、海保がサーチ(立入検査)で得た“最高機密”を漏えいしたと疑われた――当時、メディア関係者の間で囁かれた自殺の背景である。
だが、別の大手紙の公安担当記者は、違う見方を示す。
「自殺した海上保安官が、朝日新聞に秘密情報を漏えいしたと疑われていたのは事実です。しかし、彼は以前から個人的な問題で悩んでいました。彼を知る者の間では、彼は情報漏えいの犯人ではなく、自殺の原因は個人的な悩みでのノイローゼだと見られていました。事情に詳しい関係者の間では、漏えいの背景として、別のことが言われている」