政治犯収容所などでの拷問・性的暴行・公開処刑の恐怖

(c)完全支配、拷問、処刑

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政治犯収容所の収容者は北朝鮮国民としての諸権利を剥奪されていると考えられる。

収容所当局の完全支配下にある。収容所元看守のアン・ミョンチョル氏は、次のように述べている。

「管理所では、収容者は戸籍のある国民ではなく、処刑に法律は不要だった。国家安全保衛部の担当官が生死を決定していた。担当官の決定がすべてだった。[収容者は]すでに社会から除外されていた。」

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調査委員会は、収容所内の収容者の大半が釈放される見込みがないことを把握している。完全統制区域に死ぬまで収監される。比較的罪が軽微で第15政治犯収容所の革命化区域の収容者のみが、収容所で何年も過ごしたのじに釈放され国民としての地位を回復するのぞみがあった。現在もそうであるかは不明である。2007年以降、第15政治犯収容所からの釈放例は報告されていない。そのため、第15政治犯収容所全体が完全統制区域となってこの収容所からの証人が出ることを防止しているのではないかと考えている者もいる。

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収容所の物理的構造が、脱走を事実上不可能にしている。収容所は周囲を高い壁で囲まれている。高圧電流が流されている上に有刺鉄線もある。周壁には落とし穴や地雷も仕掛けられている。各収容所には多数の監視所と検問所があり、自動小銃を持った看守が配置されている。収容者は収容所内での移動が厳しく制限されている。看守が許可したとき以外には周壁に近づかないよう厳命されている。

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