ジュエの陰で浮かんでは消える金正恩の「青白く痩せた息子」
今までのところ、それと思しき人物がカメラに捉えられた例はない。
仮に息子が実在するとしても、なぜ完全に沈黙が保たれているのか。健康状態や年齢の問題、あるいは権力継承の戦略上、表に出す必要がないという判断があるのかもしれない。だが、北朝鮮体制の特質を考えれば、後継者候補は早期に「演出」されるのが常道だ。そうした演出が皆無である以上、少なくとも現時点で、息子が後継路線から外れていることはほぼ確実だろう。
(参考記事:「妹じゃなきゃ処刑だ」金正恩と与正の微妙な権力均衡と”後継者ジュエ”登場の衝撃)
結局、「息子存在説」は、閉鎖国家ゆえの情報空白が生んだ蜃気楼に近い。娘ジュエ氏の存在感が増すほど、その影は薄れ、いつの間にか話題の周縁へと追いやられていくのだ。
ジュエへの「権力継承」が失敗しそうな三つの理由
北朝鮮の最高指導者・金正恩総書記が、自身の娘ジュエ氏を後継者として前面に押し出し始めているとの観測が広がっている。しかし、この「世襲3代目から4代目」への権力継承は、決して盤石とは言えない。むしろ、金正恩氏からジュエ氏への権力継承は、構造的に失敗する可能性を内包していると言ってよい。その理由は、大きく三つある。