北朝鮮ハッカー、AIで暗号資産犯罪を高度化 「量子より危険」と専門家警鐘

実際、今年発生したBybitへの大規模ハッキングは、被害額が約15億ドルに上り、史上最大級の暗号資産窃取事件とされている。捜査当局は、この攻撃にもAIが深く関与していた可能性が高いとみている。

量子コンピュータによる暗号解読が長年「究極の脅威」として語られてきたが、カルキアス氏はその見方に慎重だ。「現時点で、どのコンピュータも現代の暗号を解読できる証拠はない。量子の脅威は少なくとも10年先の話だ」とし、差し迫った問題はAIだと強調する。AIは暗号そのものを破らなくても、正規の利用者になりすまし、取引を模倣し、資金洗浄を巧妙に行うことを可能にするからだ。

「真の敵は…」

特に脆弱なのがDeFi分野である。多くのプロトコルがオープンソースで公開されているため、AIがコードの隅々まで解析できる。ForkLogは、ある一つのオラクルや契約に欠陥があれば、同様の問題が他にも潜んでいる可能性が高いと指摘する。AIによって、こうした「見逃されてきた弱点」が次々と掘り起こされている。

一方で、北朝鮮が量子コンピュータ開発競争の主役になる可能性は低いとの見方も示されている。