「飲み会で政策批判」金正恩、エリート経済官僚5人を処刑
そして7月末のある朝のこと。何も知らずに5人はいつものように経済部に出勤した。午前8時からの読報(労働新聞を読む会)を終え、8時半の朝礼の時間となったところに、国家保衛省(秘密警察)の要員がなだれ込んできて、5人を逮捕した。
独房に入れられた5人は、取り調べで自白させられた。具体的にどのような暴力を振るわれたのかについて、情報筋は言及していないが、北朝鮮での取り調べで拷問は当たり前のように行われている。
(参考記事:手錠をはめた女性の口にボロ布を詰め…金正恩「拷問部隊」の鬼畜行為)
報告を受けた金正恩党委員長は、「陽奉陰違(面従腹背)する者は3代まで滅ぼしてもよい」との指示を下した。そして7月30日、5人全員が室内で非公開処刑された。5人の家族は、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の耀徳(ヨドク)にある15号管理所に送られた。(参考記事:北朝鮮の秘密警察に「ハンマーで処刑」された女性経営者の罪状)
当局は厳しくかん口令を敷き、事件が表沙汰になることはなかった。ところが、司法・公安機関を統括するために新設された党の組織行政部が、国家保衛省に対する締め付けを強化したころから、この話が漏れ伝わりだした。内部ではこのような話が交わされた。
