「禁断の書」を持っていた北朝鮮女性、密告され処刑
裁判では朝鮮民主主義人民共和国刑法第60条(国家転覆陰謀罪)、第64条(スパイ罪)、第62条(反国家宣伝扇動罪)、第221条(非法国境出入罪)に該当する被訴者(被告)キム・ジョンウクの事件記録を検討し、犯罪事実を確定した起訴状が提出され事実審理(罪状認否)が行われた。
審理過程で被訴者は海外で朝鮮の最高尊厳を悪辣に誹謗し反共和国宗教行為を敢行し、わが公民を南朝鮮に誘引して共和国に対する偵探行為を行う中で地下教会を立ち上げ、わが方の内部実態資料を収集する目的のもとに非法的に国境を越えて平壌に潜入しようとしていた自らの罪過を認めた。
韓国の聯合ニュースによると、キムさんはバプテスト教会の牧師で、教会から派遣されて丹東で製麺工場を営む傍ら、脱北者のためのシェルターを数カ所、運営していた。
ソウルのプロテスタント系の複数の人物と会い、地下教会の信者に会うために北朝鮮に入る計画を打ち明けたところ、全員から引き止められたが、中国で出会って伝道した平壌の高位幹部の保護を受けられるとして、聞く耳を持たなかったという。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の番組に出演した元北朝鮮キリスト教総連合会の会長のイム・チャンホ牧師は、2012年から2014年にかけて保衛部が地下教会に対する大々的な弾圧を行ったとの見方を示しており、キムさんの逮捕と関連がある可能性がある。
北朝鮮での裁判では犯罪事実の証拠として、聖書などキリスト教関連の資料が示されている。持っているだけでも重罪に問われるものなのだ。(参考記事:韓国人宣教師、昨年10月から北朝鮮で抑留中)
咸鏡南道(ハムギョンナムド)の新浦(シンポ)では、聖書を持っていただけの女性が処刑される事件が起きている。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた事件の概要は次のようなものだ。