「中国離れ」「ロシア接近」の代償 北朝鮮経済が直面する崩壊リスク
このシステムには平城理科大学、国家科学院のエリートや被服専門大学出身のデザイナーが関わり、新製品を生み出していた。しかし、この巨大なアパレル産業全体が機能停止に追い込まれた。(参考記事:市場を壊滅に追い込んだ金正恩流「地方創生政策」)
玉田市場は、全国のコメ、トウモロコシ、砂糖、食用油といった食料品や生活必需品の価格、さらに外為レートの基準となる「平城基準」を決める場でもあった。しかし市場の機能停止に伴い、この基準が出されなくなり、価格決定に混乱が生じている。
ロシア接近「逆鱗に触れた」
デイリーNKの内部情報筋によると、3月27日時点で貧困層の主食であるトウモロコシ1キロの価格は4500北朝鮮ウォン(約32円)と、2009年の調査開始以来最高値を更新した。コメ1キロの価格は平壌で9500北朝鮮ウォン(約67円)、恵山で9700北朝鮮ウォン(約68円)と史上最高値に近づきつつある。