韓国の尹錫悦大統領が憎悪する「従北反国家勢力」の正体
ソウル警察庁は同年6月30日、A氏の団体事務所を家宅捜索し、「執行政策組織責任者連席会議」と題された文書を押収。そこには「(米国との)再交渉という目標だけで短期に勝負をかけてはドロ沼にはまる恐れがある。我々の真の目標は、李明博政権を崩壊させること」という内容が含まれていた。また、「夜は国民がろうそくを持ち、昼は運動勢力がろうそくを持つなどして社会を麻痺させなければならない」「出勤車両が(街路に)進入する時点で機動隊が鎮圧(させるようにして)、都市を麻痺させる戦術が必要」などの文言もあった。
韓国の保守派や治安機関関係者の間には、当時のろうそくデモに北朝鮮の意図が作用していたと見る向きが根強くある。2004年~2007年に統一戦線部の指示を受けていたと見られたA氏の足跡は、この見方を補強するものでもあった。
北朝鮮と酷似した主張
しかし結局、A氏の「従北疑惑」は最終的に証明されなかった。