北朝鮮の女囚たちが落ちた「緩慢な処刑」の残酷な日々

彼女らは強制退去命令を出されても、北朝鮮がコロナを理由に受け入れを拒否していたため、1年以上中国の刑務所に勾留され、派遣された北朝鮮の保衛員(秘密警察)から取り調べを受けた。そのため、北朝鮮に送り返された後の取り調べは簡単なもので済まされ、すぐに教化所送りとなった。国際社会から隠蔽する意図がある意図もあったと言われている。

この施設には3千人の受刑者がいて、うち2000人が女性だ。彼女らは最初の1カ月だけ炭鉱労働、その後はアパレル、つけまつげ、靴工場に配属されるが、元脱北者は祖国(北朝鮮)を裏切ったとして、3カ月に延長される。また、家族の面会が制限されている。

北朝鮮の教化所で提供される食事は極めて貧弱で、受刑者は家族から差し入れられた食べ物でなんとか延命するが、彼女らはその機会も奪われている。つまり、すぐには殺さないが、栄養失調に追いやって死に至らしめるという「緩慢な処刑」が行われているわけだ。著しい人権侵害であることに疑いの余地はない。

(参考記事:北朝鮮の女囚28人が「陸の孤島」で強いられた残酷体験