「せめてお風呂に入らせて」北朝鮮女性兵士らの悲痛な叫び

この情報筋によれば、「兵舎がないのだから、入浴施設も整っていない。害虫などのために皮膚病に苦しむ兵士が続出しているが、部隊幹部は解決策を示すことができず手をこまねいているだけだ」という。

デイリーNKジャパン編集部がかつて取材した元女性兵士も、飢えと寒さに苦しむ中で「せめて熱い風呂に入りたいというのがずっと夢だった」と語っていた。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のある住民はRFAに対し、こんなエピソードを明かしている。

「同じ村に住む住民の中に、今年、軍に入隊し江原道地域の部隊に配置された息子を持つ夫婦がいるのだが、息子は体が虚弱で病気(結核)にかかり、治療を受けるために9月末に一時帰宅した。12月に冬季訓練が始まると軍官(将校)が息子を迎えに来た軍官に、両親は息子を再び軍隊に送ることわけにはいかないと言い張ったが、息子に兵役忌避の烙印が押され処罰されると言われ、仕方なく帰隊させた」

ただでさえ過酷な軍での生活に、健康に問題を抱える息子を戻せば命すら落としかねない。両親の心労はいかばかりだろうか。