「給料は20倍になったけれど…」急激な通貨安に動揺する北朝鮮
コロナ禍では、合法、非合法問わずすべての貿易がストップさせられたことで、一時期3000北朝鮮ウォン台となったが、貿易の再開と共に徐々にウォン安が進み、2022年8月からは8000北朝鮮ウォン台に突入した。それがいきなり1万3000北朝鮮ウォンになったというのだから、非常に衝撃的だ。
(参考記事:「誰も使おうとしない」金正恩の通貨が“紙くず”になる日)ウォン安の原因について、この情報筋は貿易の再開と共に、最近行われた給料の引き上げ措置を挙げている。
「昨年夏に中国との貿易が再開する兆しが見えた頃から、少しずつドル高となっていたが、今年に入って労働者、事務員の月給引き上げが発表されてから急激なドル高となっている」
北朝鮮は昨年10月から今年4月にかけて、段階的に国営企業、企業所、機関の月給を20倍に引き上げた。それにより市中に出回る通貨の量、つまりマネーサプライが増えたことで、貨幣の価値が下がり、インフレとなっているようなのだ。
(参考記事:「月給20倍になってもトウモロコシすら買えない」行き詰まる北朝鮮経済)
同様の現象は、2002年にも起きていた。