金正恩が演出した「処刑場の妊婦」の残酷ショー
公開処刑が、恐怖政治における究極の「残酷ショー」であることを知り抜いたうえで、それを自らの慈悲深さを演出するために利用しているのだ。
実際、金正恩氏が期待した通り、北朝鮮はこの話で国中が持ちきりになったという。ちなみに、妻は犯した罪を完全に許されたわけではなかった。翌年に出産を終えるや、当局に再逮捕され、無期懲役を言い渡された。
北朝鮮における人権侵害の数々は、そのひとつひとつが金正恩氏の権力維持と結びついていると言って過言ではない。人権侵害の事例を研究し、権力と結びつく構図を理解することは、北朝鮮の動向を分析する上で必要なことと言える。
一度に16人も
金正恩氏が、死刑執行の直前で中止命令を出したとされるエピソードは、ほかにもいくつかある。