国境警備隊が「壊滅」…北朝鮮で別の感染症、金正恩氏が対策指示

中国との国境地帯では昨年6月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)鏡城(キョンソン)郡に駐屯する国境警備隊で発熱患者が急増し、壊滅状態に陥る事態が起きた。北朝鮮は中国からの新型コロナの流入を防ぐため、国境に近づく人に無差別で銃撃を加えるほど厳重な警備体制を敷いていたが、中隊が丸ごと離脱したことで、現地ではかなりの混乱が起きたようだ。
(参考記事:「気絶、失禁する人が続出」北朝鮮、軍人虐殺の生々しい場面

デイリーNKの現地情報筋によれば、派遣された軍医が隊員の検温を行った上で、200人ほどの中隊全体に対して隔離措置を下したという。

このとき、軍医が発熱の理由として挙げたのは、パラチフスだった。パラチフス菌と腸チフス菌に汚染された水や食べ物により感染する感染症で、衛生環境の悪い途上国で多く発生しており、北朝鮮でもしばしば流行している。