「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

私たち放送芸術団の団員はバスに乗せられた。ピクニックにでも行くとばかり思っていた。ところが、目の当たりにしたのはあの光景だ。思い出すと未だに身震いがする。

平壌の文化芸術人がすべて集められた。彼女は思想闘争大論争大会の場に立たされていた。傍らには、夫、そして私の友達である彼女の娘2人、家族全員が座らされていた。

「反党、反革命分子、禹仁姫銃殺!」

その日、彼女が着ていたツツジの柄のジャケットは、数十発の銃弾で穴だらけで、血まみれになり、もはや形を留めていなかった。

夫は、銃殺が終わるまで頭を上げることはなかった。反省の弁を述べることを強いられた彼は「よく死んだ」と言った。

ところが長女は「私は母を恨まない。母は何でもよくしてくれた」と語った。

韓国の作家、李清(イ・チョン)は2008年、禹仁姫氏をモデルにして小説『神の女』を著した。

その中ではある放送局員の目を通して、彼女の最期の姿が描写されている。詳細は不明だが、おそらく実際に現場を見た脱北者の証言を元にしたものと思われる。その一部を紹介する。