脱北には「拉致」で報復か…金正恩氏「テロ団」を派遣

北朝鮮は、集団脱北事件をあくまでも韓国情報機関を主犯とする誘引・拉致と主張しながら、13人の送還を要求する大々的なキャンペーンを継続している。もちろん、韓国政府が北側の主張に応じるわけがなく、事態が進まないことに業を煮やしたのか、北朝鮮は以下のような主張をしている。

朴槿恵一味の悪らつさと残忍さから見ると、今まで監禁されていたわが公民たちの中にはすでに、無残に殺害された女性もいる可能性がある。
(2016年8月21日付朝鮮中央通信より)

事件直後の5月9日、北朝鮮のプロパガンダメディアが、ウェイトレスたちの一人がハンストを行って死亡したと報じており、この事を指していると思われる。しかし、死亡情報自体が、出所不明で「推測」に過ぎない。また、今回の記事も「可能性がある」という表現に留められている。

仮にハンストと死亡の事実があれば、確かに韓国政府の責任は逃れられないが、現時点では北朝鮮の一方的な情報であり、著しく信憑性に欠けると言わざるをえない。北朝鮮としては、集団脱北事件は、あくまでも韓国の謀略であり、自らの正当性を訴え続けなければならないという苦しさが伝わってくる。

ブチ切れ正恩氏の仰天行動

北朝鮮ウェイトレスたちの退所と同時に、太永浩(テ・ヨンホ)駐英北朝鮮公使が韓国へ亡命したことが明らかになった。