【徹底解説】北朝鮮の身分制度「出身成分」「社会成分」「階層」
出身成分は、本人が産まれた時から満17歳になるまでの間に、親が何をしていたかに基づいて与えられる。社会成分は、本人の北朝鮮社会における地位を表す。一般的に、最も長く行っていた活動、携わっていた職業に基づいて決められるが、例外もある。
成分は、革命家、職業的革命家、労働者、軍人、貧農、農民、農場員、高農、中農、富裕中農、農村の什長(現場監督)、富農、地主、事務員、学生、手工業者、什長、中小企業課、愛国的商企業家、企業家、小市民、中小商人、商人、宗教者、日帝(日本の植民地時代)の官吏の25種類だ。
出身成分が悪い人でも、金日成主席を助けた過去があるとすれば、特殊な成分を持つようになる。例えば、金日成部隊を支援した「企業家」は「企業家(革命支援者)」となり、同じ企業家でもずっといい成分となる。また、植民地支配から解放された直後に、北朝鮮の政権を積極的に支援した「富農」も「富農(建国事業支援者)」となり、いい成分となった。
一般的に、成分を決定するのは保安署(警察署)だが、革命家や革命的革命家の場合は、朝鮮労働党中央委員会の許可が必要となる。この革命とは、一般的な意味の政権の打倒のみならず、社会主義政権での活動をも含む。この概念には、北朝鮮が毛沢東時代の中国からの影響が見て取れる。北朝鮮政府の官僚となった金日成部隊出身者は「職業的専門家」となるが、金日成部隊以外で抗日活動を行っていても「革命家」としての登録は困難だ。
出身成分は一度与えられると変更されないが、社会成分は必ずしもそうではない。例えば、3年以上軍に勤務した場合、「軍人」の社会成分を得られる。「革命家」「職業的革命家」の次にいい「労働者」の成分を得るには、次の条件のうち一つを満たさなければならない。