金正恩が軍に開発を厳命した「動く銅像」の極秘計画
その一部である「デジタル自動化システム導入垂直型史跡坑道」とは、銅像の下に穴を掘って、自動で銅像を収納したり出したりできるようにするというものだ。空襲警報が発令されれば、指揮部の庁舎に設置されたボタンを押すだけで、自動的に銅像が地下に収納される。なんだかアニメ「マジンガーZ」を思い出してしまう。
たかが銅像くらいで…と思う向きもいるだろうが、北朝鮮においては、最高指導者の権威を守ることは最も重要な問題なのだ。(参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命)
また、学校に掲げられた御真影が火災や災害で破損した責任をとって自決する人がいた戦前の日本と同じような雰囲気と考えれば、理解しやすいだろう。
指先ひとつで
このシステムは今年の秋までの完成が目標とされており、工事の進捗度が、担当者らの忠誠心の尺度がになるという。つまり、工事が遅れれば国や党、最高指導者への忠誠心が足りないと判断され、人事面で不利益をこうむる。また、粛清の口実にもされかねないので、各部隊の幹部は是が非でも秋までに完成させようとするだろう。このように、忠誠心をかけて競争を煽り、結束力を高めるのは北朝鮮がよく使う手法だ。
