響き渡った女子中学生の悲鳴…北朝鮮「闇病院」での出来事

清津(チョンジン)市内の咸鏡北道人民病院で、産婦人科医師として働いている女性は夫と共に自宅にクリニックを開設し、患者を受け入れてきた。

一般的に社会主義諸国では医師の社会的地位が低いが、北朝鮮もその例外ではなく、月給は他の労働者と変わらず、最上級の1級医師でも5000北朝鮮ウォン(約75円)、駆け出しの6級医師ならその3分の1ほどだ。そのため、患者からワイロを受け取ったり、自宅でクリニックを開業しなければ生きていけないのだ。

問題が明るみに出たのは最近のことだ。妻は、浦港(ポハン)区域に住む女子中学生の妊娠中絶手術を行うことにし、午前中に薬を投与した後に、クリニックを出て本来の勤め先の人民病院に出勤した。退勤後に処置を行うつもりだったのだ。ところが、その間に激しい痛みを覚えた女子中学生がクリニックを飛び出し、悲鳴を上げて通行人に助けを求める騒ぎが起きてしまった。

夫婦が良い暮らしをしていることを妬んでいた一部の近隣住民は、これ幸いとばかりに、事件を安全部(警察署)に通報、朝鮮労働党の咸鏡北道委員会、清津市委員会にまで報告が上がる事態となった。
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住民の間では「党と政府の政策に反する行為を行ったのだから、重い法的処罰を受けるだろう」と噂されている。反動分子扱いとなったため、管理所(政治犯収容所)送りになる可能性すらある。なぜか。(参考記事:北朝鮮、脱北者拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も