「人であることをあきらめる」ほど凄惨な北朝鮮の鳩拷問

「後ろ手に縛り上げて、鉄格子に結びつける。座ることも立つこともできず、1日もすれば肩の筋肉がカチコチになる。胸骨が鶏のように前に飛び出して全身が固まってしまう」

鳩拷問©National Human Rights Commission of Korea

耀徳の第15号管理所を経験したキム・ウンチョル(2006年韓国入国、仮名)氏も、「腕も足も四方に縛られてぶら下げられたまま拷問を受けた。人間であることをあきらめるしかなかった」と、悪名高い鳩拷問について証言した。

また、「収監者が押し込められた集結所では、蒸し暑い中で毛布を被って屈伸をする『ポンプ』という拷問をさせられる。500回もやると人間らしさを失う」と証言した。

市民連合は、鳩拷問、ポンプ以外にも、空気椅子の状態で手を上げさせ続ける「新聞読み」などの拷問、夜間の不法な取り調べ、日常的な暴行、性的な辱めなど、様々な拷問の手法について説明した。

国際社会の監視の目が北朝鮮の人権状況を改善させる

報告書の発行を主導したイ・ヨンファン調査研究チーム長は「1999年までは、犯罪の種類を問わず拷問が日常的に行われており、極めて深刻だった」としつつ「脱北者が増加した2000年以降は、脱北の動機、中国での暮らし、移動経路、韓国に行こうとしたかなど、脱北者に対する取り調べ項目の類型化がなされるようになった」と述べた。