金正恩「死亡映像」を見て涙した北朝鮮国民の胸の内
核兵器と大陸間弾道ミサイルをほぼ完成させ、米国大統領を交渉の場に引っ張り出した「偉業」は、すでに父親を上回っているかもしれない。また、自国メディアにガンガン露出し、国家の方針を肉声で伝えるスタイルは祖父のそれを踏襲しており、父親の神秘主義路線は異なる。
金正恩氏はおそらく、祖父と父の人気の差を熟知した上で、彼自身のスタイルを作っているのであろう。彼の「死亡説」に接して涙した北朝鮮国民がいたのは、その効果の表れかもしれない。
だからと言って、大多数の北朝鮮国民が、金正恩氏の死を嘆き悲しむとも思えない。実際、庶民の会話では、金正恩氏を揶揄するかなり強烈なジョークが出ることもある。そもそも、北朝鮮国民の多くは核兵器と引き換えに経済制裁で苦労したいなどとは思っていないだろうし、金正恩氏の恐怖政治の手法が、祖父や父に負けず劣らず残忍であるということも知っているのだから。
(参考記事:女性芸能人たちを「失禁」させた金正恩氏の残酷ショー)