「もう核を作らなくて済む」発言の軍高官を銃殺した金正恩氏

米国務省はどういった理由から、ヒョン・ジュソン氏の公開処刑を問題視したのだろうか。いくら北朝鮮での最高規範であるといっても、「党の唯一領導体系確立の10大原則」は法律ではなく、これに基づく断罪と処刑は超法規的な殺人と見なされざるを得ない。

そして、それを米国政府が問題視したことはつまり、このような形で維持されてきた金正恩氏の権威の、反社会性を指摘したも同然と言えなくもない。一時は蜜月に見えた金正恩氏とトランプ米大統領の関係も、今ではすっかり冷めているように見える。しかしそもそも、金正恩氏の最高指導者としての正当性は、米国が受け入れられるものではないということだ。