「言動を違えれば排斥されて当然」北朝鮮、文在寅氏を説教
北朝鮮の対韓国宣伝サイトである「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は8日、2本の論評で韓国の文在寅大統領を事実上「名指し」して非難した。
まず、「言動を違えれば排斥されて当然」という説教調のタイトルの論評は次のように述べ、文在寅氏の国連演説を槍玉にあげた。
米国から「大目玉」
「南朝鮮当局が国際舞台で『非武装地帯の国際平和地帯』を云々したのは、米国との北侵戦争演習と侵略兵器購入策動で朝鮮半島の平和を蹂躙してきた犯罪的正体を隠し、民族分裂の悲劇的産物である軍事境界線の非武装地帯を国際化することにその目的がある」
これは、文在寅氏が9月24日の国連演説で提唱した「非武装地帯内に南北に駐在中の国連機構と平和、生態、文化と関連する機構などが居を構え、平和研究、平和維持(PKO)、軍備統制、信頼構築などの活動の中心地となるならば名実ともに国際的な平和地帯となる」との構想を、冷たく突き放したものと言える。
もう一本の論評はさらに辛らつだ。9月の米韓首脳会談に非難の矛先を向けた。
「北南合意への容認できない裏切り行為」と題された論評は、「先日、米国を行脚した南朝鮮執権者(文在寅氏)が米国製兵器購入を強いる主人(米国)の要求を甘受する卑屈な醜態をさらした。(中略)主の要求であれば、心臓も胆嚢も謹んで差し出す南朝鮮当局の親米屈従行為に、驚愕を禁じ得ない」と述べている。
論評は続けて、「同族を狙った侵略兵器を大々的に購入しようとしている南朝鮮当局の無分別な処置は、北南合意の容認できない裏切り行為」であると非難。「米国製兵器購入によってもたらされるのは、北南関係破綻と朝鮮半島情勢の悪化であり、取り返しのつかない後悔と破滅だけだ」と強調した。
実際のところ、北朝鮮でなくとも、「文在寅の本音は『平和』なのか『軍拡』なのかどっちなんだ」と思う向きはいるかもしれない。韓国では最近になって、日本に刺激を受けたのか、軽空母導入構想などが持ち上がっている。
結局のところ、文在寅氏のこうした言動は、政権が「ナショナリズム」と「ポピュリズム」に依存しなければ立ち行かないことを示しているものと言える。そして、これらに偏重する政権は無原則になりがちで自らが犯している逸脱にも鈍感だ。
日本に報復するつもりで軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を決め、米国から大目玉を食らい右往左往する文在寅政権が、その典型的な姿だ。
(参考記事:「韓国は腹立ちまぎれに自害した」米国から絶妙な指摘)実際、GSOMIA破棄で米国の不興を買わなければ、大規模な兵器購入でトランプ氏のご機嫌を取る必要もなければ、そのことで北朝鮮から猛反発を食うこともなかったのではないだろうか。
(参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く)