「秘密の話はiPhoneで」北朝鮮国内で広がる新常識

例えば、米連邦捜査局(FBI)は、2015年にカリフォルニア州で起きた銃乱射事件の容疑者のiPhone5のロック解除への協力をアップル社に求めたが、拒否された。その後、裁判で協力命令が出されたが、アップル社は従わなかった。結局FBIは、第三者の協力を得てロック解除に成功したが、アップル社も対抗策を出した。

Appleはこれからもカスタマーのために、透明性とデータの機密保持の向上に取り組み続けます。

Appleはこれまで、自らのすべての製品とすべてのサービスにおいて、バックドア(情報の裏口)を設けたり、マスターキーを作成したことはありません。Appleのサーバへの直接のアクセスをいかなる政府に許可したこともなく、今後も決して許可しません。

(アップル社のウェブサイトより)

このようなアップル社の姿勢が、北朝鮮の人々の間でどれほど知られるようになったのかは定かでないが、「iPhoneなら安心」という認識だけは広がっているようだ。

金正恩党委員長はMacユーザーであると知られているが、だからと言って北朝鮮国民がそう簡単にアップル社の製品に触れられるわけではない。平壌郊外の国営百貨店では、米国製のノートパソコンの販売が解禁されたとの情報があるが、続報がないことから、全国的に許可されたものではないと思われる。