氷点下20度の野外でタダ働き、若者の命を奪う「ブラックな現場」

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、恵山(ヘサン)市保安署(警察署)の関係者と、現場に復帰した別の突撃隊員から聞いた話として、亡くなったのは平安南道(ピョンアンナムド)の价川(ケチョン)から来た20代男性Aさんだと伝えた。

Aさんは機械工場で務めていたが、三池淵に送り込まれる突撃隊の人員として選ばれた。経済的に余裕のある人は「代打労力」と言って、カネを払って人を雇い、自分の代わりに送り込むが、Aさんにはそれだけの余裕がなかったようだ。

(参考記事:面倒な勤労動員を「代打労力」で解決する北朝鮮商人

Aさんが三池淵の建設現場で働き始めたのは今年8月のことだ。しかし、1ヶ月もすると三池淵には初雪が降り、気温が氷点下まで下がった。当初は健康体だったAさんだが、1日12時間に及ぶ重労働に、寒さ、環境の劣悪さも加わり、気力・体力ともに激しく消耗していった。