北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

「親愛する指導者同志(金正日)のご配慮で、最近ソ連から取り寄せた特殊武器を我々だけに見せよという指示を下されたそうだ」
「え?新型武器を見に行くの?」
「そうらしいぜ。さすが指導者同志の大きな恩徳は何物にも比べられないな」

バスは、リョンモッ洞を過ぎ、兄弟山区域へと向かっていた。1時間後、我々は車から降ろされた。

「ここはどこ?」
「さあ…」
「知ってるよ。江健軍官学校の近所だよ。昔、訓練を受けたことがあるんだ」

音楽編成部のキム君は、確かに江健軍官学校に通った経歴を持っていた。除隊してわが局に入局したのは3年前のことだった。

周りは低い山々に囲まれた、小さなトウモロコシ畑。新型武器を見せるにはおおよそふさわしくない場所を見て、おかしいと思った。

その場には文化芸術部はもちろん、出版報道部門の職員も全員集められていた。しかし、何が起きるかを知る者はひとりとしていなかった。

30分後、69型ジープがゆっくりした速度で入ってきた。