ねらわれた9歳女児…金正恩「拷問部隊」の非道な手口

しかし、脱北者に関しては例外とされているもようだ。国家に対する裏切り者と見なされる脱北者は、スパイや反逆者も同然であり、北朝鮮では事実上、反逆者の人権は認められていないも同然だからだ。

VOAによれば、国家保衛省と中国当局は、中国で逮捕した脱北者の一部を北朝鮮に強制送還せずに韓国へ送り込み、情報源として利用しながら脱北支援組織について探っているという。あるいは、一家で脱北した人々のうち1人を人質に取り、他の脱北グループの摘発に協力した場合に解放する方法も用いられているとのことだ。

このような境遇に置かれた脱北者が、国家保衛省の要求を拒絶することはほとんど不可能だ。人質に取られた家族が北朝鮮の収容施設に送られてしまえば、凄惨な虐待が待っていることをよく知っているからだ。

(参考記事:北朝鮮、脱北者拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も

北朝鮮のこのような行いを放置すれば、いずれ本格的な諜報工作員の海外浸透ルートにも化けかねない。脱北者の人権問題は、北東アジアの安全保障に関わる問題だということだ。日米韓など関係各国はこのような認識に立ち、北朝鮮と中国当局の人権侵害を止めさせるべきだ。