怨みを買って刑務所送り…北朝鮮「悪徳警察官」の悲惨な運命

摘発されたのは、平壌市牡丹峰(モランボン)区域の保安署(警察署)に勤務する女性保安員だ。この保安員は、旅行証を発行する保安署2部で勤務し、申請者から最高で20ドル程度のワイロを受け取り、旅行目的を示す書類を偽造し、旅行証を発行していた。北朝鮮の刑法213条の文書および証明書の非法処分罪、つまり有印公文書偽造に当たる行為だ。

北朝鮮は世界でも稀に見る、国内移動の自由が制限された国だ。市や郡の境には検問所が設置され、そこを通過するには旅行証、つまり国内用のパスポートが必要になる。旧ソ連のシステムを手本にしたものだが、本家本元より遥かに厳しい。

最近になって規制が大幅に緩和されたが、平壌、中国との国境や軍事境界線に面した地域に行くには、特別な旅行証が必要となる。洞事務所(末端の行政機関)、勤め先の工場、企業所に旅行証発給申請書を出し、承認を得た上で、今度は保安署2部での審査を受けて許可不許可が決められる。