北朝鮮軍で「深刻事態」発生…新兵が次々と倒れる

北朝鮮の兵役で世界で最も長い10年。そのスタート地点となるのが招募所だ。毎年3月から4月にかけて、身体検査で合格判定を受けた16歳から17歳の若者は、各道の軍事動員部に集合し、招募所に移動、そこで部隊に配属されるまでの数ヶ月間訓練を受ける。ところが、一人前の兵士となる前につまづいてしまったわけだ。

食中毒が起きてからしばらくして、この話が一般にも広がった。息子を長い兵役に送り出した親たちの心配はいかほどだろうか。「病気になった息子のことを案じ泣き暮らしている親もいる」(情報筋)とのことだ。

今回の食中毒の原因は不明だが、一般的に北朝鮮での食中毒はさほど長引くことなく早期に回復するというのが情報筋の話だ。しかし、おりからの制裁不況で充分な栄養を取れていない兵士は回復が遅い。

「親がカネを持っていれば、市場で栄養剤を購入して与えればいいが、ほとんどの新兵が貧しい家の出で、事態はかなり深刻だ」(情報筋)

すべての医療が無料で受けられることになっている北朝鮮だが、それは建前に過ぎない。