「自衛隊の攻撃能力は世界一流」と評価する金正恩氏の真意

北朝鮮は米国との交渉で、米本土に届く大陸間弾道ミサイルを廃棄することはやむを得ないと考えているはずだ。しかし、日本が主張するように、すべての射程の弾道ミサイルを放棄してしまったら、安全保障上「丸腰」に近い状態になってしまう。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の軍紀は乱れきっており、ほかに頼れるものがないからだ。

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だからこそ、日本の軍事的な危険性を言いつのり、弾道ミサイル戦力を保持する理由としているのではないか。中でも、射程2000キロ以上と言われる準中距離弾道ミサイル(MRBM)の「北極星2」については、2017年5月21日、金正恩氏により実戦配備が承認されている。

このミサイルは、固体燃料ロケットを使用するため即応発射が可能で、発射台に無限軌道の特殊車両を使用するため山岳地での運用が可能で隠密性も高く、より射程の長いミサイルよりも日本にとっては脅威度が高いとされる。

心配なのは、米国がもしかしたら、すでに北朝鮮側に譲歩してしまっているのではないかということだ。

ポンペオ米国務長官は24日、CNNテレビの電話インタビューで、北朝鮮との交渉では非核化措置の「期限は設けない」と述べた。日本ではこの発言が「意外」なものと受け止められているような雰囲気だが、果たしてそうか。そもそも、何をどこまでやったら「非核化」が遂行されたことになるのか、米国はまだ、北朝鮮に示せていない可能性が高い。もしそうならば、現時点で期限を設定することは不可能だろう。

それより、このインタビューではもっと気になる言葉があった。ポンペオ氏は正確には、「2カ月であれ6カ月であれ、期限は設けない。首脳間で決めた目標を達成できるよう迅速に取り組む」と説明したのだ。