死者数百人の事故が多発する北朝鮮の「阿鼻叫喚列車」
現場に急行した医師や看護師、難を逃れた軍人や一般労働者たちは、現場に入る前に飯盒の蓋に注がれた医療用アルコールを渡され、飲み干すように指示された。それは現場が正視に耐えないほどの惨状を呈していることを意味していた。
そして彼らが川原で目にしたのは、想像を絶するほどのおぞましい光景だった。
頭部が半分なくなった人、機械の下敷きになりぺしゃんこになった人、鉄筋に串刺しになった人など死体があたり一面に散乱していた。 (中略)
同時に遺体収集作業も行われた。当初はあまりの光景に震えるだけだった看護師たちも、アルコールを飲んだ効果があったのか、感覚が麻痺したのか、まるでゴミを拾うように肉片を手で掴んで担架にひょいひょいと載せていった。そうでもしないと、いつまで経っても作業が終わらないほどの状況だったのだ。
北朝鮮ではこんな事故が、ほかにも起きている。2006年の4月のことだ。