金正日の女性関係、数知れぬ犠牲者たち【下】

金正日の私生活を知っている警護部隊の「親衛隊」と、側近や官邸に勤務する者(幹部5課対象)は、公民証が発給されない。彼らは社会に編入されることもできず、秘密を漏らした時は、収容所に引かれて行ったり、ひどい場合には秘密裏に処刑される。

最高指導者の女性関係と指導力は、無関係だと評価する人もいる。

指導者の女性関係をあげて、道徳的に問題視することは正しくないと指摘する。指導者の道徳性と統治力をここで話題にする必要はない。

ただ、最高指導者が権力を利用して、他人の妻を強制的に離婚させて連れて来て暮らしたり、自分や成恵琳との関係が暴露されることを恐れて、数多くの芸術家を収容所に送ったり、女優のウ・イニとの関係に対する噂が広まらないように、当事者を処刑させた行為は非難を浴びて当然だ。

ウ・イニは6・70年代半ばに北朝鮮の映画界のトップスターであった。彼女は映画監督のユ・ホソンに会って結婚し、3人の子供をもうける。70年代後半、ウ・イニは金正日と不倫関係を結んだことがある。在日朝鮮人の青年とも、愛するようになった。2人は関係を持った後、車の中でヒーターをつけて眠っていて、青年が窒息するという事件が起こった。

私生活の秘密維持のため、多くの人を犠牲に

この事件が外部にもれ、世間にウ・イニに対する非難が広まった。