北朝鮮軍「処刑幹部」連行の生々しい場面
北朝鮮の歴史は、国内の派閥闘争と粛正の歴史でもあるが、短期間でここまで大規模な粛清の嵐が吹き荒れるのはありえなかった。しかも、金正恩氏の粛正は 「見せしめ」としての意味合いが強く、その処刑方法も残忍きわまりない。
(参考記事:北朝鮮、スパイ容疑の芸術関係者を「機関銃で粉々に」)こうした処刑を最終決定しているのは、もちろん金正恩氏だ。その裏で、誰を粛正し、誰を処刑するのか、企画・立案しながら暗躍する二つの機関がある。朝鮮 労働党の中枢機関といえる「組織指導部」と秘密警察「国家安全保衛部」だ。とりわけ、国家安全保衛部長の金元弘(キム・ウォノン)氏は、粛正・処刑の実行 部隊長であることから恐れられ、多くの人の恨みを買っている。その面構えを見 れば、確かに「処刑執行人」という呼び名がふさわしい。
(参考記事:張成沢氏を処刑した金正恩氏と二つの国家機関)前述の張成沢氏が3年前に処刑された時、「金正恩氏の絶対権力が確立した。今後は安定に向かう」という声もあった。