「まるで公開処刑が遠足のようだった」…北朝鮮「人権侵害」の実態(7)
調査委員会は、収容所内の収容者の大半が釈放される見込みがないことを把握している。完全管理区域に死ぬまで収監される。比較的罪が軽微で第15政治犯収容所の改造区域の収容者のみが、収容所で何年も過ごしたのちに釈放され国民としての地位を回復するのぞみがあった。現在もそうであるかは不明である。2007年以降、第15政治犯収容所からの釈放例は報告されていない。
そもそも、北朝鮮当局は収容者を生かしておくことを前提にしていない。前回言及した「母とその子は収容所内の懲罰棟に連行され、赤子は犬のエサの器に投げ込まれた」という出来事も、収容者たちは「階級の敵」であり、彼らは「根絶やし」にすべきという国家の方針から生まれたものと言える。
(参考文献:国連報告書「(d)性的暴行、家庭を持ち子を作る権利の否定」)
北朝鮮の国民の多くは、いずれ自分の生存権がこのように否定されてしまうのではないか、との恐怖を幼いときから植えつけられている。以下は、国連報告書に収められた、公開処刑に関する証言の一部だ。