「韓国に来ても二重の苦しみ」脱北者でゲイの小説家、半生を語る
やがて、ソンチョルが軍隊から戻ってきて二人の友情は復活した。彼は看護師と結婚し、二人の子どもの父親となっていた。
双方の家族は互いの家を頻繁に行き来していた。夜が更けて泊まっていくこともしばしばあった。そんな時には、妻同士、夫同士同じ布団で寝る不思議な関係だった。
しかし、チャンさんは「こんな暮らしは監獄にいるのと変わらない。鳥のように飛んでいきたい。妻も愛のない結婚生活から自由にさせてあげたい」と思うようになり、離婚届けを出そうとした。しかし、妻は首を縦に振らなかった。離婚すれば、教師の職を失いかねないからだ。
韓国でも差別
チャンさんはソウル経済新聞とのインタビューでその時の状況を次のように語っている。