中国奥地で売られた「少女A」の前に現れた救世主

「北朝鮮女性はほとんどが中国人男性に売られることを覚悟して脱北する。自分が売られた先には北朝鮮女性が10人ほどいたが、すべて中国人男性に買われた人たちだ」 (人身売買の被害者だった脱北女性)

最近でも、20代中盤の女性が生活苦から抜け出そうと中国に出稼ぎに行ったが、ブローカーに「儲かる仕事がある」と騙され、中国人男性に売り飛ばされる出来事があった。

一方、被害女性同士がメッセンジャーアプリのWeChatで情報を共有し、苦境に陥った人がいれば力を合わせて助ける事例もあるという。

(参考記事:人身売買団の餌食になった「ある少女」を待ち構える運命

北朝鮮女性の中国における人身売買には、国連や国際人権団体から批判の声が上がっているが、根絶されないのには様々な理由がある。

まず、北朝鮮の経済難だ。国家の仕組みは計画経済時代から変わっていないのに、現実は市場経済化が進展している。国家からの配給で生活が成り立っていた過去とは異なり、生きていくには市場で商売するしかないが、そのための資金を用意するには、脱北して中国に出稼ぎに行くのが最も手っ取り早い。ブローカーはそんな女性たちをターゲットにしている。

次に北朝鮮当局の対応だ。