「金正恩は、中で殺している」北朝鮮の処刑方法に変化

韓国の政府系シンクタンク・統一研究院が発行した「北朝鮮人権白書2018」は、比較的最近になって韓国入りした脱北者の証言に基づき、北朝鮮で数多くの処刑が行われている実態を報告。とくに、韓流ドラマを視聴したり、流通に関わったりした罪で処刑される事例が増えていると指摘している。

黄海南道(ファンヘナムド)碧城(ピョクソン)在住で2017年度に脱北した人は、同年2月に麻薬と韓流ドラマの視聴、流通で20人が銃殺されたと証言した。また、別の脱北者は、2015年3月に平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)で、3〜40代男性5人が、同じ容疑で銃殺されたと証言している。

かつては軽い処罰だった韓流ドラマの視聴、流通に対する処罰が強化されたのは、2013年4月に金正恩氏が「録画媒体を見たり売ったりした者は、労働鍛錬隊または教化所(刑務所)送りにせよ」との指示を下してからだ。

通常は3年から15年の実刑判決が下されるが、同年9月には両江道の三池淵(サムジヨン)で、韓流ドラマを見たり、K-POPを聞いたり、売った者は死刑にするという布告があり、実際に見せしめとして処刑が行われたとする証言もある。また、両江道の恵山でも農林大学の学生を含む3人が、麻薬と韓流ドラマの流通に関わったとして銃殺された。

ある女子大生は、韓流ビデオのファイルを持っていたというだけで拷問され、悲惨な運命に追いやられた。(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

一方、処刑が行われる形には変化が見える。