「肛門のない赤ちゃんが生まれた」北朝鮮核開発、被ばく労働の恐怖
ここに収容された政治犯が、核実験施設で防護服なし、すなわち放射能に被ばくしながら強制労働させられているという証言がある。
収容所の警備兵出身で脱北者のアン・ミョンチョル氏は、「若くて元気な政治犯たちがトラックに乗せられ、『大建設』という名目で核実験施設に連れて行かれた」と証言した。彼によると、それ自体が恐怖の対象だったという。
アン氏は、強制的な被ばく労働以外にも衝撃的で生々しい政治犯収容所実態を明らかにしている。例えば「母とその子は収容所内の懲罰棟に連行され、赤子は犬のエサの器に投げ込まれた」など、強制収容所内で常態化している残虐な人権侵害などについても証言し、その多くが「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)」の最終報告書に収められている。
金正恩氏が執着する核開発は、周辺国にとって脅威であるのみならず、自国民の安全をも脅かしている。しかしそんなことは、北朝鮮の独裁者にとっては屁でもないのだ。放っておいても、民主主義国家のように選挙で落選するわけでも、デモによって打倒されるわけでもない。民衆が抗議の声を上げようものなら、軍隊を投入して殺してしまうだけだ。
要するに、民主主義の存在しないことが、北朝鮮の核開発を可能にしているのである。だから北朝鮮に核を放棄させるためには、まずは北朝鮮の民主化が必要なのだ。