「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故
責任者はいずれも解任、左遷、降格の処分を受けた。ところが、李女史は何ら罪を問われていない。噂では、夫を通じて事故の調査担当者と、その上級機関である組織指導部にワイロを掴ませ、もみ消しを図ったようだ。その甲斐あってか、報告書から事故の背景と原因についての記述は大幅に抜け落ちている。(参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図)
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事故の遠因は、金正恩氏の後継者としての足場固めのために、金正日氏が無理に業績づくりをさせようとしたことにある。また、速度戦などと言った精神論を振りかざし、質を省みようとしない北朝鮮の旧態依然とした体制、根を下ろしはじめたばかりで、形骸化した計画経済の残滓と共存するいびつな資本主義もある。
しかし、事故の教訓は生かされなかった。同じ年の10月、楽浪(ランラン)区域で建設中だった38階建てのマンションの一部が崩壊し、多くの死傷者が発生した。多発する事故を見た平壌市民はいま、新築マンションを恐れ、築20〜30年の古いマンションを好んでいるという。
やっぱり事故が起きていた金正恩氏「恐怖写真」の現場
北朝鮮国営の朝鮮中央通信や朝鮮労働党機関紙の労働新聞は2018年7月10日、金正恩党委員長が中国との国境地域にある両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)郡の建設現場など各所を視察したことを大きく報じた。その際に公開された写真を見た建築専門家の間からは、重大な事故が発生する可能性が指摘されている。
(参考記事:金正恩氏の背後に「死亡事故を予感」させる恐怖写真)
そして「やはり」と言うべきか、この現場近くで深刻な事故が発生していたことがわかった。両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、道内の恵山(ヘサン)近郊で、大量の建設物資を積んで三池淵(サムジヨン)に向かっていた貨物列車が転覆した。