【実録 北朝鮮ヤクザの世界】28歳で頂点に立った伝説の男
「俺たちのパッキ派には12人の幹部がいたが、結束の強さを示すために『義理(ウィリ)』という文字を彫り込んだね。」
「義理」の刺青とはなかなか粋だが、これはあくまでもパッキ派という特定組織の幹部の証だ。ヤクザ組織によって刺青の絵柄や刻まれている文字はまったく異なるという。なかには刀の絵を描いて「復讐」の文字を彫ったもの、リンゴに矢が刺さっている絵柄・・・さまざまなものがあった。
ちなみにヤクザでなくとも、北朝鮮にはちょっとした刺青のある男性が少なくない。「1987」のように軍隊に入隊した年を彫ったり、朝鮮独特の政治スローガン「自力更生」などの文字を入れたりする。
白氏は、元々は朝鮮労働党員の裕福な家庭で生まれたそうだが、父親が職場の事故で亡くなったことにより、生活は一変する。