北朝鮮で餓死者続出か…五輪や「どんちゃん騒ぎ」の陰で

台風が来ようが日照りになろうが、ノルマを守れなければ処罰されるため、収穫が少なくても水増し報告する。国はその数字に基づいて翌年のノルマを策定する。ウソが年々積もり積もって、現実とはかけ離れた数字がひとり歩きすることになる。その数字に基づいて食糧徴発を行えば、農場はたちまち飢饉に陥る。

例えば2012年、穀倉地帯の黄海南道(ファンヘナムド)で数万単位の餓死者が発生した。当局が、金正恩氏の政権就任を祝う「どんちゃん騒ぎ」用の食糧を徴発したことで、極度の食糧不足に陥ったためだ。飢えた人々が家族の亡骸に手を伸ばす「人肉事件」の悲劇すら伝えられた。

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また、黄海北道(ファンヘブクト)の内部情報筋によると、当局は2015年にも収穫したばかりのコメを「軍糧米」「首都米」(平壌に特別配給するコメ)と称してほとんどを徴発してしまったため、深刻な食糧不足を発生させている。