中国にしつこくケンカを売る金正恩氏の「危険思想」の正体
資本主義の限界や武装勢力「イスラム国」の台頭とテロ攻勢について、ここで多くを述べる余裕はない。一つ言えるのは、東アジア、ヨーロッパのみならず、この世界の不確実性が日増しに増大しているということだ。
さらに、そのような不確実な世界にあって、世界各国が軍事力への依存を強めているように見える。日本が集団的自衛権の行使に踏み込むのも、そのひとつの表れと言える。また、米国の大統領候補になるかもしれない人物が日韓に核武装を促している現実も、やはりそうと言える。
(参考記事:「金正恩vsトランプ」で東アジア危機の「本番」が始まる)もしかしたら、金正恩氏にとってはそのようなカオスとも言える未来こそが「ウェルカムな世界」なのではないか。秩序が流動化し、国際関係がいっそう「実力依存」の度を増せば、核兵器を持っていない国よりも持っている国の方が確実に強い。そして、金正恩氏が抱く核保有国の野望は、それが早期に破たんさせられないならば、既存の国際関係の秩序を確実に揺るがす。それを心待ちにするような危険思想を金正恩氏が持っている可能性は、かなり高いのではないだろうか。
(参考記事:「大国の核廃絶なしに朝鮮半島の非核化もない」北朝鮮メディア)(参考記事:徐々にわかってきた金正恩氏の「ヤバさ」の本質)