金正恩氏がどうしても明かせない「ワケあり女性」の微妙な動き

南北が芸術団の派遣で合意したことは報じたものの、玄氏が韓国を訪問したことは一切伝えていない。それを報道することで、韓国の今の姿が北朝鮮国内に伝わることを警戒しているのかもしれない。

北朝鮮当局は、韓流ドラマやハリウッド映画など、海外の自由で豊かな社会の実像を伝える情報が国内に入り込むことに神経をとがらせている。こうした情報が、体制不安につながりかねないと考えているのだ。2014年4月には、韓流ドラマのファイルを保有していたという容疑だけで女子大生を拷問し、悲劇的な末路に追い込むほど、残忍な方法で対処した。

(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

そもそも北朝鮮は、韓国社会について「世界最悪の人権の不毛の地、人間の生き地獄」などと伝えている。しかし、北朝鮮の朝鮮中央テレビなどが、玄氏を団長とする調査団の訪韓を報じれば、必然的に韓国社会の発展ぶりや自由な空気が北朝鮮に伝わることになる。