遺体が粉々になり原型とどめず…金正恩氏の「劇団員虐殺」事件

同年7月28日に行われた「祖国解放戦争勝利60周年慶祝音楽会」の直後から、「銀河水管弦楽団が強制的に解散させられた」との未確認情報が流れた。時を同じくして北朝鮮の音楽コンテンツを扱うサイトから銀河水管弦楽団の名前がいきなり削除された。楽団が公式メディアに登場することもなくなり、解散は決定的と見られるようになる。

しかし、2年後の2015年、意外な形で銀河水管弦楽団に注目が集まる。韓国の情報機関である国家情報院(国情院)は、同年3月に銀河水管弦楽団の総監督、40代の男性初級幹部2人、40代女性の合計4人が、国情院のスパイであるとして逮捕されたキム・グッキ氏と関係を持った罪で、平壌郊外の「美林ポル」という場所で銃殺されたと明らかにした。北朝鮮での銃殺刑は珍しくないが、メンバーらは遺体が粉々になり原型をとどめないほど凄惨な殺され方をしたと伝えられている。

(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

銀河水管弦楽団の解散とメンバー処刑は、ひとつの独立した事象ではない。祖父・金日成主席や父・金正日総書記よりも残忍極まりないと評される金正恩氏の恐怖政治が始まるのが、楽団解散の直後からなのだ。楽団が解散させられた2013年の12月に金正恩氏は叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏を無慈悲に処刑。これを皮切りに数多くの幹部が処刑される。