ドキュメント:北朝鮮亡命兵「救出作戦」の実戦状況

このとき彼らは、軍事境界線からわずか2メートルほど北側にいた。彼らの左手に見える建物は、かつて北側の中立国監視委員会が会議場としていたもので、現在は使われていない。軍事境界線をまたぐ形で立っており、半分は韓国側に位置する。

国連軍が公開した映像には、亡命した兵士の運転する軍用車両が猛スピードで共同警備区域(JSA)に進入(写真①)、動けなくなった車両から降りた兵士が韓国側へ向けて走り出し(写真②)、これに向けて追撃の北朝鮮軍兵士4人が銃撃(写真③)、追撃兵士のうち1人が軍事境界線を数秒間、南側に越え、再度北朝鮮側に戻る様子(写真④)などが映っている。

呉氏が全速力で走り去ると、追撃兵のうち3人は後方へ下がったが、「伏せ撃ち」の1人はなお、呉氏を追いかける動きを見せた。