謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」
それが変わったのは金正日政権になってからだが、恣意的な法の運用は相変わらずだった。
北朝鮮の刑法によると、死刑を求刑できるのはテロ罪、祖国反逆罪、反国家目的破壊・陰害罪、民族反逆罪、麻薬密輸密売罪、故意的重殺人罪などだが、実際にはこれ以外の罪でも死刑が求刑され宣告されることがある。
一般的な犯罪者は裁判を受けるが、政治犯の場合は国家安全保衛部(秘密警察)がいきなり家を訪れて逮捕・拘束。取り調べや裁判を受けることなく、そのまま収容所送りとなる。
収容所では一般の法律が適用されず、看守が収容者の上に君臨する絶対王朝で、強制労働に従事させられ、ちょっとしたことで拷問、処刑される。
さらに、理不尽な処刑に抗議した人が、有無を言わさずその場で処刑されるなど司法手続きを無視した事例もある。 一般の犯罪者の場合は法廷で死刑を宣告されると、概ね公開の場で銃殺刑に処せられる。
(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」)子供も「見学」に動員
処刑が公開されないのは何らかの理由で社会に波紋が起きかねない場合だ。また、公開してもその対象を限定する場合もある。
では、公開処刑はどこで行われるのだろうか。