「金正恩は子供たちまで処刑した」衝撃証言の裏に潜むより大きな懸念

「私が亡命した2014年は、とても殺伐とした時期でした。張成沢氏(元国防副委員長で金正恩氏の叔父)をはじめとする高位幹部とその側近たち、そして彼らの家族たちが、幼い子供まで含めて数百人が高射銃で無残に処刑され、数千人が粛清されました。

私の知人である高位幹部が何人も高射銃で殺され、私の子供の友人たちが政治犯収容所に送られるのを見て強いショックを受けました。私と私の家族たちは、そのような悲劇的な光景をこれ以上見たくはありませんでした。

それまでの(金日成主席、金正日総書記の)時代にも処刑や粛清はありましたが、このような前代未聞の虐殺蛮行はありませんでした。人間の尊厳を第一に考える社会主義教育を受けた私は、自分の国でこのようなことが起きるとは想像だにしていませんでした。また、その出来事を目の当たりにするまでは、自分が亡命することになろうなどとは夢にも思いませんでした」

(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

高射銃とは、文字通り人間を「ミンチ」にしてしまうような武器だ。