【対北情報戦の内幕-14-】米国の「シャッター・コントロール」に翻弄される衛星情報

「なぜ日本が商用衛星の画像を買わなければならなかったのか? 米国が、衛星情報の独占にこだわっているからだ。電波情報の収集は、どの国にも可能な技術だ。しかし解像度数センチ、金正恩の顔すらも識別できる最高精度の偵察衛星を運用する技術と予算は、米軍しか持っていない。つまり米国は、衛星情報をカードに同盟国をコントロールする戦略を持っているわけだ」(自衛隊OB)

衛星情報で同盟国をコントロールするとは、例えばこういうことだ。

米国が日本に「近々、北朝鮮が弾道ミサイルを発射するようだ。発射台にミサイルが設置されている」と伝えてきたとしよう。だが、日本に独自の目――つまり偵察衛星がなければ、米国から与えられた情報を信じるほかなく、外交姿勢も協調せざるをえない……。

晴天なのになぜか雲が…

「いまガチブ(画像・地理部)が国産以外で使っているのは、『IKONOS』が撮った画像だ。偵察衛星メーカーのロッキード・マーチンが作った衛星で、解像度は10センチ程度。戦闘機や戦車の機種、並んだ歩兵の数まで分かる」